不安や苦しさとどう付き合っていけばいいのか。臨床心理士のみたらし加奈さんに、さまざまな悩みを相談しました。 その上であなたが思うダメっていう部分なんだけど、それってどこと比べてダメなんだろうっていうのを考えてみてほしいです。 実は自分は長所だと思ってる部分も、短所だと思っている部分も表裏一体だったりする。案外自分がダメだって決めつけてる、その部分があなたにとっての一番の魅力だったりする場合はあります。 なので、「ここがダメ」って決めつけて、自分自身を責めるようなことはする必要は全然ありません。 ただ、あまりにも自分を責めすぎてしまうのであれば、私たちみたいな心理の専門家に頼ってもらえると嬉しいです。 でも、もしあなたが今、自分の周りにいる人たちと違ったとしても、画面の中にいる私とは一緒かもしれない。 私は同性のパートナーがいたこともあるけれども、それが自分の「ふつう」だと思っています。 あなたにはあなたの「ふつう」があると思うし、あなたと同じ「ふつう」を持った人っていうのが外の世界にはいるかもしれません。 だから、無理にその場所にいる必要はないし、自分で環境はを作ることもできるし、自分で選ぶこともできる。 何でもできるから、自分にとって居心地のいい場所ってどこなんだろうっていうのを、まず考えてみてもいいかもしれません。 なので、悩みがあるかもしれないと思った人には「どうしたの?」「何かあった?」という聞き方をしてあげると、少しだけ話しやすくなるかもしれません。 実は話を聞く以外にも、心のサポートのしかたっていっぱいあります。 私の場合は学生時代、自分の話を打ち明けるのがすごく苦手で、相談とかも全然できなかったんだけど、でも夜に長電話をしてくれる友達の存在にすごい救われてたと思う。 周りにもし悩んでいる人がいたら声をかけてあげてもいいし、もしくはLINEでスタンプを送ったりとか、何かくだらない話してみたりとか、そういうことをしてあげるのもいいと思います。 ただ、やっぱり悩みの中には、もう一人では抱えられない、周りも抱えられない、専門的な知識が必要な悩みも、なかにはあります。 だから、そういったことはチャット相談やSNS相談とか専門機関がやってるところにまず相談してみるといいかもしれません。 でも大人になるにつれて案外、自分の環境は選べる、選択するようになれるんだと分かってきたっていうのは、自分の次の世代には伝えていきたいなと思っています。 私も今、10代の時にやりたいなって思ってた仕事とは全然違う仕事をしているし、自分が大人になるにつれて、周りの人や住む場所はすごく自由に選べるようになってきました。 自分を縛っているのは、案外自分自身なのかもしれない。そして、それを解き放つ為の術はだんだん見えるようになってくるものだと思います。 そしてもし今、死にたいなとか、人生に絶望してるなと思ってたとしても、実はそれは今だけのことかもしれません。 だから、今生きている自分の体や心を大事にしながら、生きていってほしいなって思います。 学校へ行きたくないなら、行かなくていい。付き合いたくない友達がいるなら、付き合わなくていい。親のことが大嫌いだとしても、いつかは離れられるタイミングが来る。 そう信じてほしいなと思ってます。

前編の記事はこちら

▽死にたいと思った。何度も自分を傷つけた。そんな私が臨床心理士になったからわかったこと。 子どものSOS相談窓口(文部科学省)https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm 全国の相談窓口一覧(いのち支える自殺対策推進センター)https://jssc.ncnp.go.jp/soudan.php

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